2016JリーグCS 決勝 第2戦 vs鹿島アントラーズ
明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ 決勝 第2戦 vs鹿島アントラーズ 試合結果|URAWA RED DIAMONDS OFFICIAL WEBSITE
明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ 決勝 第2戦
2016年12月3日(土)19:35キックオフ・埼玉スタジアム
浦和レッズ 1-2(前半1-1) 鹿島アントラーズ
得点者:7分 興梠慎三、40分 金崎夢生(鹿島)、79分 金崎夢生(鹿島)
入場者数:59,837人
…。
この試合の結果、浦和レッズの明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップでの成績は準優勝となりました。また、AFCチャンピオンズリーグ2017の本大会からの出場が決定いたしました。
……。
【1stステージ最終成績】
10勝3分4敗 勝ち点33 3位
【2ndステージ最終成績】
13勝2分2敗 勝ち点41 1位
【年間リーグ最終成績】
23勝5分6敗 勝ち点74 1位
【チャンピオンシップ】
1勝0分1敗 準優勝
まただ。またしでかしてしまったのだ…我が愛するクラブは。
ミシャの試合後の会見の通り、レッズは興梠の早い時間での先制点以降「もう一点取りに行くべきなのか」「2戦合計2-0でよしとして守備に重きをおくのか」がはっきりしないまま、ズルズルとラインを下げ、パスコースも作れなくなっていった。
そこにあったのはまさしく、毎年寒くなり始めたときに顔を見せる『失速の浦和』の姿。
今年はみんな違うと思っていたよ。試合前もそんな話をしたのを鮮明に覚えている。
1stステージで勝ち点3を取れなかった5チームがラスト5試合で全て並ぶという日程くんの書いた脚本、レッズはリーグラスト5試合で4勝1分。
最後マリノスにはマルティノスの個の力に対応しきれずに最終盤に失点して引き分けてしまったが、怨敵ガンバが川崎を相手に2分間で2得点する離れ業もあって年間勝点1位の座を手にすることが出来た。
例年とは違い、ここで他会場の結果も後押ししてくれる辺りで「今年はツキもあるのでは」という予感が、10年ぶりの戴冠への想いを加速させていった。
そして、ルヴァンカップで毎年のようにタイトルを掻っ攫われてきたガンバを相手にPK戦ではあるが勝利。
タイトルがかかった場面。埼スタでビジュアル披露。5万人以上の来場。この要素があると負けるとのジンクスもオサラバした。
はずだった。
史上最多タイの74ポイントで堂々の年間勝点1位
ルヴァンカップ優勝
2戦目ホーム開催
アウェーゴール数が同点の場合浦和の優勝
これだけのハンデがありながら…
ピッチ上には、いつもと同じ臆病なプレーに終始する選手たち。
一方鹿島のイレブンは早い時間の失点もどこ吹く風、淡々と自分たちの時間=「失速の浦和」が姿を見せるのを待っていたのだ。
そりゃそうだ、だって鹿島は2点取らなきゃ勝てないという状況は変わっていないのだから。
鹿島イレブンはそれを十二分に分かっていた。
反対にレッズは…
何をするのにも中途半端。
パスもハーフウェーラインあたりで引っかかり続けて、ショートカウンターを浴び続ける姿はさながらサンドバッグか何かか…
このままのスコアで終わればレッズが優勝する状況で前半が終わる。
ハーフタイムの時点で、隣席の友人と「このままだと決壊して失点するだろうけど、この感じだとレッズがもう1点取るのは…」という会話をしたが、おそらくスタジアム中至る所で同じような話が聞こえたはず。
「選手を応援するために行ってるのに、そんなこと言っていいのか」
「サポーターが弱気なことを言ってるから~」
「現地で応援したい人だってたくさんいるのに!そんなこと言うならこっちにチケット寄越せ!」
とか色々言いたい人もいると思うけど、ここ数年のレッズを見てる人なら前半だけ見た段階でみんな分かってるんだもん。
このままだと「浦和が負けて、鹿島が勝つ」ということ。
まあハーフタイムの時点ではこのまま行けば浦和の優勝だし、流石にそこまで直球で口に出す人は誰もいなかったけど。
そして、後半開始。
後半は鹿島の勝ち越し以降のパワープレー以外でチャンスらしいチャンスが有った記憶がない。
それだけラインが下がって押し込まれてたんだろうけど。
許せないのは、鹿島の選手がサイドを抉りクロスを上げようとする時に、マークについてるレッズの選手は体を寄せに行かないで離れたところでクロスが上がるのを待ってる状況になってたこと。これが後半はずーっと続いてた。
激しく当たって突破されたら…と臆病になった結果かもしれないけど、そういう所を突いてくるのが(言いたくないけど)常勝の鹿島なんでしょう。
後半のあのやる気のない守備を見て、与えてはいけない2失点目の予感はいよいよ確信めいたものに…
いつもと違って西川からのフィードが全く繋がらなかったのも不安を掻き立てる。競り勝てないのはまだしも、味方が誰もいないエリアに蹴られるボールが続くなんて、キーパーが西川になってからは記憶になかった。
パスが引っかかるたびに全方位から聞こえるため息、ゴール裏から飛ぶ怒声、それでも消極的なプレーを続けカウンターを浴び続ける選手たち、スタジアム内を包む不穏な空気…
もはや2戦合計スコアでレッズが勝っていること、このまま終われば優勝することなんて覚えてる人は少なくとも現地にはいなかったと思う。
あの不穏な空気、自分たちが圧倒的優位な位置にいても、絶望的な予感を感じさせるあの雰囲気は14年の32節・ガンバ戦で感じた空気そのものだったと、後で思い出した。
そしてPK献上…
槙野が何故かスルーしたのは後でTVで分かったけど、あれは何だったのだろうか…
そして、1stに続いてまたしても鈴木優磨。
まだまだ若いし、今後もレッズの前に長く立ち塞がる選手になるかもしれないな。
西川も読みはあってたが、あのスピードのボールを隅に蹴られたら厳しいか。
金崎のCS3点目、この時点でMVPも決まりの鹿島勝ち越しゴール。
そして、ここからが「失速の浦和」らしいバタバタ劇。
(1年間で攻撃全振りで追いかける状況になったことがないとは言え)やったこともないパワープレーで槙野を最前線に上げてみる。
しかし、他の選手が上がってこない。結局放り込まれたボールを槙野が収めても続かず、受け手を探してる間にクリアされてしまう。
槙野が最前線にいるのにも関わらず今更後ろで繋ごうとしてみたり、とにかく時間と手数のかかるミシャ式パワープレー…再び大きくなるゴール裏からの「早く上げろ!」の怒声。
セットプレーで攻撃参加するべきか否かでピッチ上とベンチで齟齬があるのか半端な位置でチョロチョロする西川…(Twitterではミシャと杉浦通訳が揉めてるとも書かれていた。1st瓦斯戦以来?)
それでも2~3度は決定機があったと思うけど、特に武藤のシュートミスは擁護できないレベル。
ボールは少し難しかったかもしれないけど、マーカーが外れてキーパーもクロスにフォーカスしててちゃんとミートすれば決まってたシーン。
シュートは枠の大きく上へ。
そのまま立ち上がれない選手、まだ試合終了の笛は鳴っていないのにすぐ起き上がれなかった選手がいたのを見て「何も変わってないんだな」と諦めモード。
ルヴァン決勝を現地観戦した友人は試合前、李の交代直後のファーストタッチでの同点弾が記憶にあるから、どんなに重い試合でも奇跡は起きると力説してくれたが、この現実の前では…
試合終了の笛が聞こえた瞬間、体温が一気に下がったような気がした。
試合中は、セーターの上にレプリカユニだけでも何とも思わなかったが、急に来た。
6万人いようが、撤収の足は早い。
セレモニーが始まった頃にはホーム自由席以外は多くが空席になってた。試合中は超満員だっただけに見た目以上に寂しく映る。
自分は、初めて相手チームが表彰されるセレモニーを見てみた。
13年のナビスコ、今年の元日の天皇杯も試合終了の笛が鳴ったら即帰宅してたけど、今回ばかりはすぐ帰る力がなかった。
地球上で最も嫌いなチームはバルセロナ、それと同率1位で鹿島アントラーズ。
地球上で最も嫌いな選手はブスケッツ、それと同率1位で小笠原満男。
そんな自分が鹿島の優勝セレモニー、小笠原主将のシャーレ掲揚に生で立ち会うんだからどうかしてる。
僕の好きなアニメの『ひぐらしのなく頃に』という作品がある。そのラスト『祭囃し編』では、あるキャラクターが、どの世界にあっても必ず自分の事を残酷に殺す黒幕の正体を突き止め、平和な村が戻るまであと一歩のところで黒幕に捕らえられてしまう。
その際、いつもなら昏睡させられてから開腹されるのだが、「次の世界でも犯人をすぐ思い出せるように」生きたまま開腹されてしまうのである。
長々と脱線したけど、自分もこの「全世界で一番嫌いな奴らが祝われる」セレモニーを目に焼き付けることで、一生忘れることのない、ここ数年のV逸の中でも圧倒的な悔しさを体と頭に刻みつけることができた。
何年もこの時期になると同じことを言ってるが、もう繰り返してはいけない。
今言ってることと矛盾している気もするが、不思議な事に悔しさとは別にこの雰囲気と「また2位か」という気持ちに慣れてきてる自分がいるのは事実。
繰り返される歴史的失速に心が響かなくなっている。
正直、阪神のVやねん!なんぞとは一括りにしないで欲しいレベル。
どちらかと言うとホークスの秋の風物詩寄りだと思うが。
相撲で言うと稀勢の里か。
とにかく、この毎年の失速劇はもはや固有名詞がついていいレベル。あきらかにおかしい。
「サッカーとは、最後に鹿島アントラーズが勝つスポーツ」というリネカーの語ったドイツへのフレーズのパクリが試合後のネット上で見受けられたが、「サッカーとは、最後に浦和レッズに関わる全ての人がどん底へ叩き落されるスポーツ」であることも付け加えておきたい。
最後に。
史上最多タイの勝ち点
リーグカップのタイトル
日本のプロスポーツ界でもトップクラスの大観衆
代表選手多数在籍
2チーム組める選手層
これ以上何が必要なんですか・・・。